Bluetoothトランスミッター「TT-BA09 Pro」レビュー。aptx-LL対応で低遅延でゲーム・動画を楽しむ。
2022/03/16

今回買ったのはBluetooth送受信機「TaoTronics TT-BA09 Pro」。もちろん今回も自腹購入。
これを使うとBluetooth接続に対応していないオーディオ機器やテレビ等から出る音声をBluetooth対応イヤホンと接続できるようになる。
TaoTronicsについて
TaoTronics(タオトロニクス)はamazonや楽天、ヨドバシ等で一度は目にした事があるはずのオーディオ・家電ブランド。日本ではSUNVALLEY JAPANという企業が販売している。創業はアメリカだが現在は本社を中国深センに構えているようだ。
というわけでいわゆる中華製品に分類されると言っても良さそうなTT-BA09 Proだが、国内サポート体制も整っているように見えるので試しに買ってみる事にした。
TT-BA09 Proを購入しようと思った理由
Bluetooth機器の接続先を管理したかった
マウス接続用に小型のBluetoothドングルを所持していて手持ちのBluetoothイヤホン・ヘッドホンはそちらとペアリングさせていた。管理上の問題でPCデバイスとオーディオデバイスの接続先を分けたかった。
USBドングル → マウス、キーボードといった操作系デバイス。
TT-BA09pro → イヤホン・ヘッドホン等のオーディオデバイス。
オーディオインターフェースから出る音を無線で飛ばしたかった
使っているオーディオインターフェース(UR24C)から出る音をBluetoothイヤホン・ヘッドホンで聞けるようにしたかった。この機種は周波数特性が明記されておらずどれだけ音質が劣化するかは不明。自分の耳だとそこまで酷い感じはしなかった(apt-Xで接続)。
UR24CはMAIN OUTPUTが2つあるのでスピーカーとトランスミッター両方に音を出せる。
マイクを有線・ヘッドホンを無線という組み合わせにしたかった
discordでマイク入力をオーディオインターフェース、ヘッドホン出力をBluetoothという組み合わせにしたかったから。残念ながらUSBドングルだとこの組み合わせではオーディオインターフェースのマイクが使えなかった。
TT-BA09 Proの見た目と同梱物
正方形で非常にシンプル、スマートな見た目。上部はマット加工されているが側面はツルツルで指紋が目立つ。上部にインジケーター類がまとめられておりどのコーデックで接続されているかひと目で分かるようになっているのが便利。右側面はTX/RXモードの切替スイッチと電源ボタン。背面はAUX、SPDIF IN/OUT、USB-C(電源)端子がある。底面には充電時や使用時に点灯するランプあり。
TT-BA09 Proを手持ちのイヤホン・ヘッドホンと接続してみた
ペアリングの手軽さや接続状態を確認するために手持ちのBluetooth対応イヤホン・ヘッドホンと接続してみる。今回使うのは「Skullcandy Crusher Evo (SBC/AAC)」「Anker Soundcore Liberty Neo 2 (SBC / AAC)」「Sennheiser IE PRO BT Connector (SBC/AAC/aptX/aptX-LL)」
Skullcandy Crusher Evoと接続

SBCのランプが点灯し、SBCで接続されている事がわかる。
TT-BA09 Proの電源ボタンを3秒以上長押ししペアリングモードにする。その後Skullcandy Crusher Evoをペアリングモードにしてしばらく待つと接続が完了した。初回ペアリングは結構時間がかかり、不良品なのではと不安になった。2回目以降の接続はスムーズだ。
ヘッドホン側の音量調整ボタンでの音量調整も問題なかった。
Anker Soundcore Liberty Neo 2と接続
Anker Soundcore Liberty Neo 2はなぜか接続がうまくいかず10回程度ペアリングを試行した所なんとか接続できた。レビュー等でうまく接続できない製品があるというのは知っていたので諦めかけていたがなんとかなった。こちらも2回目以降の接続はスムーズだ。
問題点としてはAnker Soundcore Liberty Neo 2だとイヤホン側で音量調整ができない事だ。出力側(今回の場合はPCの音量)で調整する必要がある。オーディオIF側のOUTPUT音量を調整しても変わらなかった。
Sennheiser IE PRO BT Connectorと接続

aptX-LLで接続されている事を示すランプが点灯している。
Sennheiser IE PRO BT Connector (IE100 PRO)とのペアリングも問題なかった。実際に動画を見てみるとSBC/AACの製品より明らかに遅延が少ない。きちんとaptX-LLで接続できているようだ。
SBCの製品とaptX-LLの製品を同時に接続してみる

AB両方とSBCのランプが点灯。
TT-BA09 Proは同時に2台のイヤホン・ヘッドホンと接続できる。今回はSBCとaptX-LLの製品を同時に接続してみた。同時に接続した場合は強制的にSBCになる。
TT-BA09 Proの良かった所
バッテリー内蔵で駆動時間が長い
カタログスペックで最大連続使用時間は24時間、満充電まで2時間だ。自分は据え置きで使っているのでバッテリー駆動時間は関係ないのだが、持ち運んで使う人には長時間駆動はありがたいと思う。
軽量コンパクト
本体サイズ:約6cm x 6cm x 1.9cm
重さ:約44g
手のひらサイズで軽量コンパクトなので持ち運びが楽なのはもちろん据え置きで使う場合も場所を取らない。
付属しているケーブル類が豊富
自分はRCA(オーディオI/F)-ステレオミニプラグという接続になるのでRCA変換プラグが必要だったのだが最初から付属していた。別途用意する必要もなく助かった。また、給電用ケーブルがUSB-Cなのも良い。
TT-BA09 Proのイマイチな所
電源を取る場所によってはノイズが乗る
USB給電する際に電源を取る場所を気をつけた方が良さそうだ。自分の場合は「USBハブ」「PCのUSB」から給電した場合音声にノイズが発生した。コンセントから直接給電した場合は音声にノイズが発生する事はなかった。
初回ペアリングに時間がかかる
初回のペアリングで5回くらいペアリングモードにしないと接続されない機種があった。初回接続後はスムーズに繋がる事がほとんどだがたまにどれだけ待っても繋がらない事があった。電源ボタンを2度押しして2台目(B)のペアリングモードにすると繋がるようになった。
接続機器によっては操作に難あり
例えば手持ちの一部機種では音量の調整が効かなかった。またこれはBluetoothトランスミッター全般に言える事だと思うが、曲送り、戻し、停止等のイヤホンに付いている機能が使えないという事がある。BluetoothドングルでPCやスマホに接続する場合は曲送りや停止等の機能も使える。結構大きなポイントかもしれない。
プチノイズが入る(メーカーに確認・検証中)
Sennheiser IE PRO BT ConnectorでaptX-LLで接続時にプツプツという小さなノイズが入った。現段階では仕様なのか初期不良なのか不明。メーカーに確認中。
その他
遅延について
スピーカーとイヤホン同時に出力させて聞いてみたがaptX-LLでの接続時の遅延はほぼなかった。当然だがSBCでの接続時はかなりの遅延があった。
よくわからない中華製Bluetoothトランスミッターのレビューで「aptX-LLで接続しても遅延がひどい」と言ったレビューをちらほら見かけるがTT-BA09 ProについてはきちんとaptX-LLに対応しているようだ。
ペアリングについて
念の為初回ペアリングはあらかじめ他のデバイスとのペアリングを解除しておいた。本機側にはPCやスマホのようにペアリング対象の機器を選択する術が無いからだ。
amazonでの取り扱いは?
TaoTronicsの製品は現在amazonでは販売停止になっている。いわゆるサクラレビュー問題絡みだと思われる。
ちなみに見た目と価格、仕様が同じ商品は登録されている。が、今の所は楽天から購入するのが無難だと思われる。楽天の商品ページには「在庫はamazon倉庫で管理しておりamazonからの発送になる」とあるので一時的な販売停止と考えるのが良さそうだ。
総評
自分の環境だけかもしれないがペアリングに少し難がある事、現時点でaptX-LLで接続している場合にプチノイズが乗る事が気になる。今の所は自信を持ってオススメできるとは言い難い。
初期不良の可能性もあるので状況が改善されたら追加でレビューしていきたい。
2022年3月追記:現在販売中のモデルはレビュー記事の物とはボタン等の配置が異なるアップデート版のようだ。